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++I'm lost without you.++




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注意:何度も言いますがこの小説は性的表現多なので
引き返す人は引き返してください!
1〜5はこちらから。 
リーアは何故自分がポールの腕に抱かれて寝ていたのか分からなかった。 ベッドには二人だけ。朝、気付くとこの状態。 これに至った経緯がまるで分からなかった。意識は完全にない。 綺麗な生活感のない家具にダブルベッド。電話の横にルームサービスのメニュ ーがおいてあることからホテルらしいことがわかる。 「どうして・・・あたし?」 「ん?何?」 「なんでポールと居るの?」 リーアは驚いた風に言うので逆にポールが驚いた。 「リーアがサムを忘れるため、じゃない?」 ポールは笑ってリーアを抱きしめる。 リーアの柔らかい肌に顔を埋めるといままでには知らなかった嬉しさが込み上 げてきた。 欲しかったもの。一度味わいたかったもの。一度汚したかったもの。 今この手の中にある。 しかしリーアの表情は深刻だった。 今にも泣きそうな顔。それはもう全てが違和感そのものだった。 何だか違うと体が否定していた。 しかしポールには見えない。ポールには分からない。 「最低、あたし・・・」 ポールに聞こえるか聞こえないかくらいの大きさでそう呟いた。 リーアはポールの腕を振り払い、シーツを一枚体に包め、服と荷物を持って出 ていってしまった。 それはそれは颯爽と。扉を閉める音がバンと響く。 部屋に残されたポールは何が何だか訳が分からなかった。 扉の外ではリーアが涙を零す。 「まるで当て付けみたいじゃない・・・そんな事したくないのに」 とめどなく涙が零れる。その階にあるトイレまで一気に走って着替える。涙で 濡れてしまった体を包んだシーツを剥がす。 無数の跡が昨晩何があったかを物語る。 下半身に感じる違和感も感じ取らないわけにはいかなかった。 その意識は何も残っていないのに。涙は止まる事を知らない。 「サム・・・ごめん」 リーアはあてつけのように思われても仕方ないと思った。事実は変えられない。 サムの言葉が頭から離れないのに。 心はまだ揺れているのにしてしまった事は事実だ。 今更サムの事が好きで好きでしょうがないなんて事に気付いても遅いのだと思 う。どんな顔をして彼の前に行けばいいのかリーアには分からなかった。 リーア自身サムのしたことと同じ事をしてしまったのだから。 狭いトイレの個室、不快感さえ覚えるくしゃくしゃになったシーツを放置して リーアは涙を拭いて出て行った。強くなろうと思った。 それから一週間程経った。サムは相変わらずリーアと話す事が出来なかった。 もともと秘書課のリーアとサイトデザイン課のサムは会社内ではすれ違いだっ たが、見掛けると必ずポールが親しそうにリーアに話し掛けている。 決してリーアは心を許した表情ではなかったが、その状況はサムを裏切った事 を充分に表していた。 クリスティーも一度は諦めたが、また精力的にアタックしてくる。 同僚達は相変わらず距離を置いて観察していた。 「はぁ」 サムはパソコンを閉めると溜め息を吐いた。 すると部長が部屋へ女、究極に美人な女を従えて部屋へ入って来た。 「アテンション!今日からこの課に少しの間協力してくれるシェールだ。ファ ッション、若者、セレブや女性系のデザインは彼女のアドバイスをもらいなが らやってみてくれ」 ガタイのいい部長が嬉しそうに笑いながら言う。サムはうっすら笑った。 同僚達は口を一瞬あんぐり空けてシェールを見て、数秒してから 「スーパーモデルのシェールだよな?」 とか 「パリコレ出たよなあ去年」 とか驚きと感嘆の声が漏れる。勿論、女には目がないポールはシェールに釘づ けだし、クリスティーを始め女子社員もシェールを頭から下まで舐めるように 見て感嘆の声を漏らす。 「サム、どう?スーツなんて久しぶりに着たんだけど」 シェールが親しげにサムに話し掛けると、みんな今まで以上に驚いて二人の会 話を見ていた。 「シェールは何着ても似合うっていつも言ってるだろ」 今日もアルマーニのスーツに身を包みバーバリーのネクタイ、オメガの時計で バッチリ決めたサムと美しいシェールが似合う。シェールもアルマーニのスー ツ、足元はグッチのパンプス、ディオールのネックレス、左手薬指にはカルテ ィエのリング。サムは恐らく、いや間違いなくナックのプレゼントだと思った。 「ふふ、ありがとう。ねぇ、今日仕事終わったらご飯でもしない?」 シェールは間合い4つ分以上離れた観衆達を見渡してめぼしい女、淡いピンク のスーツにミニスカートを穿いた女を見て笑んで言う。 「いいよ。じゃあシェラトンでフレンチは?帰りは家まで送るよ」 「そう?助かるわ。サムの車乗るの好きなんだ」 「でも車最近変えたよ」 「あのアルファロメオ?せっかくおじ様から貰ったのに?」 「自分の金で買いたかったんだよ。今はメルセデス乗ってるよ。さすがに親父 の64年型シェルビーには負けるけどな」 「あの車は全部が格違いだよ。さすがおじ様。でも楽しみ」 笑って数分会話すると、少し言いづらそうに部長が咳ばらいをして笑って仕事 を促した。 サムは淡く笑みを浮かべながらデスクに戻り書類を見る。 シェールは部長に連れられて違う部屋でプレゼン会に参加するらしい。 サムはシェールやアリや他のみんなの行動力に感謝した。 こんな寂しい時に一人でないのは有り難かった。 ペーパーに男性向けファッションサイトのデザインを殴り書きした。構成、画 像、背景の壁紙やフレームまで細かく書き入れていく。 息詰まって頭を掻きむしって給湯室へ向かおうと椅子を立とうとするとサムの デスクの周りに人が集まっていた。 「な、何だよお前ら」 サムは人だかりに驚いて問う。 「決まってる!シェールの事だよ!お前サム、どういう関係だよ?マジびびっ たよ俺」 そうやってサムに聞いたのはプライズドデザイン社に入社してからすぐに知り 合ったライアンだ。サムとはたまに昼ご飯を一緒に食べるような間柄だ。 ライアンの他にも多くの同僚たちが、しかも顔も知らないような奴まで周りに 居たりして少しだけサムは気が引けた。 「ダチだよ。もう長いよ」 「どこで知り合ったんだよ?」 「それは別にどこでもいいだろ。あいつがモデルになる前からだよ」 「まあな」 まさか親父がシェールが15歳の時にフランスで見初めて連れて来たなんて言 える訳がない。 そのシェールがマフィアに係わり合っている事も、恋人が幹部な事も言えない。 言ったらどれほど驚くだろうと考えると面白くて仕方がなかった。 「なあ、サム」 そう話し掛けてきたのはポールだった。 あれ以来あまり口を聞いていなかったポールから話して来たのには驚いた。 昼ご飯はライアンと食べているし一緒に居ることはなかった。 「お前に話すことなんかねーよ」 サムは自分でもよくこんなにも声色を抑えて返事が出来たなあと思った。 よくこんなにも感情を抑えて返事が出来たと。 そんなサムの言う事は何一つ聞いていなかったかのようにポールは話し続ける。 「シェールと付き合ってるのか?相変わらずお前はいい女捕まえてくるよな。 薬指のリング、お前がやったんだろ?シェールに」 ポールは笑いながら言った。サムにはその言葉が侮辱のように聞こえた。 まるで自分が上から見下ろすような。 「勝手に言ってろよ。リングやった奴の名が知りたいなら教えてやるよ」 「お前だろ?」 「俺じゃないけど、知ったらお前は鉛玉頭にブチ込まれる羽目になるけどな」 サムは不適に笑う。それに感情はなかった。 ただの事実だ。 間違いなくシェールがナック、テイラー組の幹部と付き合っているという話を 聞いてしまったらポールは抹殺される。 親父としてはシェールのモデルとしての名は組で汚してはいけないといつも言 う。シェールは組の宝だからだ。 ポールはやけに笑うサムを見て事実を察した。感情のない笑い。 「悪かった」 そう言って自分のデスクへ戻った。 サムにはこれは何に対する謝罪なのかは分からなかった。 そんなことはサムにはどうでもよかった。 しかしポールの表情からは血の気が引いていた。ポールはサムの本気を感じて いた。恐ろしくて足が震えそうだった。 それは一緒に笑いあったサムではなかった。 「ねぇ、どういう事なのポール?なんであのシェールがうちの会社に?なんで サムとあんなに仲がいいのよ?」 昼時、オフィスから少し離れたハンバーガーショップで御飯をたべながらクリ スティーはポールに詰め寄る。 「知るかよ俺が」 冷たく答えたポールにキレそうになったがクリスティーは抑えて嫌みたらしく 言う。 「ポールはいいよね〜。リーアが手に入って。あたしなんかサムには相手にさ れないし、強烈なライバル出現みたいだし。いいトコ取りね」 チキンリブサンドを頬張って、オレンジジュースを一気飲みするクリスティー を見て溜息をつくのはポールだ。 「そんな事言われても俺も困るよ」 「何で」 「リーア嬢もガード堅くてさぁ。一回ファックした仲なのに」 「うまくいってる癖に」 「あんなサイコーにホットな女・・・なんで俺の物にならねぇんだよクソ」 「あーあ。リーアといいシェールといいサムの近くに居る女は桁外れよ」 クリスティーは氷しか入っていないグラスを意味もなくストローで吸う。 「絶対にサムだけは諦めない。あんなカッコよくて、性格よさそうで、金持ち そうな男滅多にいないんだから」 そうクリスティーが言うと、飲んでいたジンジャーエールのグラスを置いてポ ールは言う。 「サムが性格いい?あいつが?まさか。キレたらマジであの野郎何するか分か らねぇよ」 ポールは少し怯えるように言った。目尻を少し狭めて。
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